卸売 絶版!! 決定版 ヘルダーリン全集 全4巻揃 検:ニーチェ/ハイデッガー/ヘーゲル/シェリング/シラー/ゲーテ/リルケ/ハイネ/カント/フッサール

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商品詳細人の住む生の世界が遠ざかり葡萄の時の輝きもはるかになれば夏の野はうつろにひろがり森は黒々とかたちをあらわしている
かつて別れ道で  倒れ伏したときさらに美しいものを見せ慰めてくれたものよ大いなるものを見 さらにたのしく  神々と歌えよと静かに鼓舞して  舞い上がったものよ神々の子よまたあらわれ  私にあの挨拶をおくってほしい
ああ  影の国の静寂銀の山はその上に煌めきそこは太古の紛糾が回帰するそういう夜であれ 八月十四日に小夜子が逝った(二〇〇七年)。愕然とした。茫然とした。一昨夜の九月十九日夕刻から、「山口小夜子さんを送る夜」が築地本願寺本堂で催された。ぼくは最前列で三宅一生さんと福原義春さんに挟まれて、ずっと万感の思いを去来させていた。この日は小夜子の五八回目の誕生日だったのである。 築地本願寺から仕事場に戻ると、さすがになにもかもが脱力していた。自分の足を感じない。喋る気もしない。何もする気がおこらない。真夜中、誰もいなくなった仕事場で、ふらふらと一階の書棚を見にいった。真っ暗だ。ちょっと明かりを入れて、書棚を眺めていた。とうてい所在のないことだったのだが、ふいに『ヘルダーリン 省察』の背文字が目にとまった。 ああ、ヘルダーリン。そうか、ヘルダーリンがいた。ヒュペーリオンが待っていた。いや、舞っていた。ああ、そうか、これかもしれないと思った。それからまた一夜がたった。どうしようかと迷いながら、いまヘルダーリンの数冊を開けている。小夜子、そんなことなので、今夜はちょっとだけヘルダーリンを贈ることにします。しばらく何も考えないで綴るから、どこかで聞いていてください。  遠くからわたくしの姿が  あのお別れのおりに まだあなたにわかるとき  過去が  おお わたくしの悩みにかかわりをもつものよ フリードリッヒ・ヘルダーリンという詩人がいました。ぼくが早稲田時代にハイデガーに導かれて、傾倒した詩人です。詩人ですが、ドイツ観念哲学を代表する一人でもありました。いつか書きたいと思ってきた。ヨハン・クリスティアン・フリードリッヒ・ヘルダーリン。とてもいい名前でしょう。 一七七〇年に南ドイツのネッカール川のほとり、ラウフェンというとても小さな町の生まれです。このあたりはシュヴァーベンといって、シュトゥットガルトの森とともに、ドイツの森の中でもとても美しい。ケプラーもシラーもヘッセも、ここに育っています。シュヴァーベンは宗教的にも敬虔な風土をもっていた土地です。 ヘルダーリンはこういう風土で育ったんだけれど、二歳でお父さんを亡くしているから、父親の記憶というものがありません。小夜子もお父さんとお母さんを亡くし、一人っ子として育ったと聞きました。子供の頃は横浜のフェリス女学院近くのお墓で遊んでいましたね。一人っ子の遊びって、特別だものね。でも、ヘルダーリンには妹がいた。こういうちょっとしたちがいが、どこか人生のロマネスクやアラベスクを、そしてジャパネスクを変えていきます。 それからラテン語の学校に行き、僧院学校に入り、寮生活をおくります。ヘッセもそういうことをいっぱい書いたけれど、ドイツのギムナジウムの寮って、なんだか不思議だね。禁欲的であって、でも精神はたいてい聖人のように淫らになっている。 その後、ヘルダーリンはテュービンゲン大学の神学校でゆっくり精神を磨きます。ちょうどパリではフランス革命の狼煙が上がったころのことです。その神学校でヘーゲルとシェリングと知りあいました。この三人はたいへんな仲良しです。  森を出て春の野へさすらいゆく  こよなく美しい姿をした女神の子  その威厳ある似姿を与えるために  女神は劫初におまえを選んだのである 青年のころのヘルダーリンは、ピアノやヴァイオリンやフルートを愉しんでいます。でも一番に好きだったのは読書だったらしく、古典のほかに、シラー、シューバルト、クロプシュトック、オシアンなどを耽って読んでいる。なかでもクロプシュトックが好きだったようです。クロプシュトックは日本ではほとんど知られていないけれど、当時の文芸界で最も予言者的な詩作品を書いていて、「生と神」とをつないでいく言葉を尽くしていた人です。そのクロプシュトックにヘルダーリンは心の底から震えたようなんだ。びり・びり・びり。バリ・バリ・バリ。 ヘルダーリンは、同じ歳のヘーゲル、五つ下のシェリングとよく議論するようになっていきます。シェリングは飛び級で入学してきた天才です。とてもアタマがいい。いま読んでも、たいへんに切れ味がいい。そのシェリングを含めて、この三人は竹馬の友でした。ヘーゲルはそのときすでに「おやじ」と呼ばれていました。 三人はいつも同じ議論をするのが好きでした。それは「一にしてすべて」ということです。ギリシア語で「ヘン・カイ・パン」(hen kai pan)と言います。「一・に・し・て・す・べ・て」。それを何度でも議論したらしい。三人にとって、その「一にしてすべて」に向かっていくことが生涯の夢だったんですね。いい言葉だよね。小夜子の「一にしてすべて」は、どんなものでも着てしまうということだったよねえ。  高く わたしの精神は昇ろうとした  しかし愛は やさしくそれを引きもどす  悩みはもっと強い力で その軌道を下にたわめる  それがわたしの生の行路の 虹だ  こうしてわたしは 大地から出て 大地へもどるのだ ま、そういうことで、神学校を中心にした若き日々はヘルダーリンにいろいろのものをもたらした。そしてこのあと、しだいにギリシアに向かっていくようになりました。古代のギリシア。もう世界から消えかかっているギリシアです。 これはヴィンケルマンの『古代美術史』(中央公論美術出版)とシラーの『ギリシアの神々』を読んだのがきっかけです。この当時の詩人はみんなこの二冊を読んでいたものです。やっぱり、まずはプラトンに畏敬をもったようです。 そんなヘルダーリンも、いよいよ学校生活を離れて就職しなくちゃいけなくなってくる。お母さんは聖職者になることを希望していたようだけど、ヘルダーリンは僧服だけの人生をおくる気はありません。小夜子がいろいろな服を着たように、一種類だけの人生をおくりたくはなかったらしい。そこでホフマイスターになる。家庭教師です。当時はホフマイスターといえば、ほぼ住み込み。ヘルダーリンもテューリンゲンの貴族っぽいフォン・カルプという家に入り、その次はフランクフルトの銀行家ゴンタルト家に入ります。 その間に、フィヒテの知識学の講義を聞いたこと、ゲーテやヘルダーといったドイツ・ロマン派の綺羅星たちと出会ったことが、その後のヘルダーリンに大きな影響を与えたようです。こうして構想したのが、かの傑作『ヒュペーリオン』でした。
ご存じの方には多言ではございますが、その量と質からも、最高のヘルダーリン全集でございます。大変入手困難でございます。
大事にコレクションしておりましたが、増えすぎたDVD・CD類の整理をしており、この度出品させて頂きました。格安にて出品させて頂きましたので、どなた様かお引取り頂き、お楽しみ頂ければ、誠に幸いです。支払詳細かんたん決済。発送詳細発送はおてがる配送にてお送りさせて頂きます。注意事項*システム利用料・手数料などは一切頂いておりません。
*お決まりですがノークレーム・ノーリターンにてお願い致します。
*保管品ですので、神経質な方のご入札はご遠慮下さいますよう宜しくお願い致します。コメントそれでは何卒宜しくお願い致します。

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